届いた Fire HD 8 Plus の設定をしていたら、Kindle Unlimited の 3 ヶ月無料利用権が付いてきたので登録した。特に欲しいものが無いのにライブラリ目当てで入って結局使わず終了するという俺のサブスクアンチパターンに見事に沿う使い方だが、3 ヶ月無料を逃す事の方が嫌だったし、3 ヶ月という期間はこのサービスが自分に合っているのかどうかを判定するのに十分だというのも加入するための大きな理由になった。他の小さな理由としては、仮に継続することになったとしても、最近ある月額制コミュニティを抜けて月のサブスク料金の合計が 900 円ぐらいになり、サブスクに回すお金の余裕が出来たというのもある。とりあえず、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」が入っているのを運良く直ぐに見つけたので最初はこれを読むことにした。
ところで、聞いたところによると Kindle Unlimited にはアダルトの枠があり、エロ漫画や写真集が無料で見られるらしいので興味がある各位は入ると良いかもしれない。格安な性欲解消手段であれば同価格帯の komiflo が存在するが、それに加えて「加入の隠れ蓑」になる大量の書籍ライブラリが付いてくる。また、先月サービスが開始された DMM TV も月額 500 円 (初月無料) で AV が見られる上に、隠れ蓑として他の番組 (特にアニメ) が使えるらしい。ちょうど d アニメストアが値上がりを表明したのもあって移行というのも良い言い訳になるかもしれない。
電子書籍の話をしていたはずが、性的コンテンツとその隠れ蓑の話になってしまったので、本日読み終えた本の話をして話題を健全な方向へ転換する。
「「無限」に魅入られた天才数学者たち」を読んだ1。Prime Reading で読めるレベルの科学系の本は自明な事実を羅列しているだけで全く面白く無いのだが、科学ノンフィクションの体を成している本はストーリーを実装していることもあって読み応えがあり面白かった。序盤は古い時代を扱っており、特に神学と結びつく辺りは眠たい世界史の講義のようでつまらなかったのだが、ワイエルシュトラスが登場した辺りで現代数学の概念が登場し (といっても、学部 1 年の微分積分学レベル)、そこからカントールからゲーデル、コーエンと、連続体仮説に関連するトピックが繰り広げられている。
既知事項が多くて、新しい知識はほとんど手に入らなかったが、ストーリーに沿って既知の事実を確認出来て読みやすかったし、こういった本は分野をさらに深く学ぶモチベーションをもたらしてくれる。実際、これまではあまり興味が湧かなかった解析学だが、これ (の特にワイエルシュトラスが出てくる辺り) を読んだことで、一度再構築2したくなった。
そういうわけで今後も既知の分野でありながら、学習のモチベーションを充填するための読書を科学ノンフィクションを通して行うと思う。この手の本は「関連分野に居ない人間が教養や娯楽のために読むもの」というイメージがなんとなくあったが、それが完全に払拭された形となった。
そういえば、この本を読んで初めて知ったのだが、「あるパラドックス」を用いて素朴集合論を破壊した事で有名なラッセルは実はノーベル賞を受賞している。受賞分野はもちろん数学賞3、ではなく文学賞である。ラッセルは政治活動家や哲学者としても高名であったためその活動が認められたらしい。昨日も (性的な話題という最悪な形であるが) 偉人に関するトリビアを書いたので、それを思い出してなんとなく似たような事を書きたくなった。