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2023/01/17: 卒業論文の思い出

最近は日記の投稿時間が比較的早いため、その日の夜に思い浮かんだ事を翌日の日記に書くという事がある。そして次の文章はそのパターンだ。

読み終わった本を図書館のポストに返しに行くついでの深夜徘徊の最中、途轍も無い陰鬱に襲われた。修士論文を書き終えたところで特にやりたい特別な事1が無いということに気付いてしまったからだ。誰かと卒業旅行に行こうとか、お疲れ様会を開こうとか、そういう事を想像した瞬間に、嫌な事を思い出した時に反応する回路が反応した。研究室の誰かや大学院の同期がそんな事を言い出さないことを祈る。どうせ断るが、言い訳を考える作業が面倒だし、(大きなお世話とは言え、)他人の善意を無碍にする時に心が傷まないと言えば嘘になる。まあこれもよくある被害妄想の亜種のようなものだ。

結局のところ、日常を何の心配も無く遂行する事が一番やりたいことであって、そんな特別な事を楽しめるような精神状態になれるとは思えないのである。ちなみにこれは半分嘘で、大学院と関係の無い人間と会食するのは大歓迎である。とにかく、この陰鬱の原因である「この大学院」からさっさと離れたいだけだ。

振り返れば、卒論の時も大して事情は変わらなかったと思う。コロナ禍だったというのもあるが、卒論発表後に行った唯一の特別な事は行きつけのタイ料理屋に一人で行って一番高いランチ(それでも2000円を切っていたが)を頼んだ事だけだった。隣の研究室とのオンライン送迎会は存在したが、嫌々出た事と、最後に別れの挨拶を述べる際にこれまたコロナ禍のせいで全く会話をしなかった同期の名前を失念してZoomの名前一覧から見つけて辛うじて繋いだ事だけ覚えている。ちなみに2人居た同期の内、片方はZoomに参加しておらず思い出す事が出来なかったため、辛うじて繋いだというのは嘘だ。結局、苦笑いした教授が助け舟を出したことで別れの挨拶を締めた。ついでに(得意な事を活かす方面へ専攻を変える)私の事を「ピーキーな生徒」というフォローになるのかわからない紹介もしてくれた。でも、割と馬が合う先生だったし研究室の人も(表面上は)良くしてくれたので、原子核実験への興味が維持出来たなら(非常に強い仮定)、長く居たいと思える研究室だった。つまり、いつもどおり「全部俺が悪い」。


百年文通 | 伴名 練, けーしんを読んだ。伴名練の作品は百合要素を含む事が「そこそこ」あるのだが、こちらは百合姫連載小説の電子化ということもあって「そこそこ」どころではなかった。「なめらかな世界と、その敵」を読んで以降、見かける度に伴名練の小説は読んできたが、百合を感じる事はあってもこれを超えるものはなかった気がする2

作者がこれまでに用いたSFガジェットとして、インプラントや低速化災害等を見てきたが、本作のキーは「異なる2つの時間軸を繋げる抽斗」だけであり、そこから派生する物語も、規模が最終的に大きくはなるものの、シンプルな構造をしている。そのシンプルさ故に読んでいてSFであると感じることは少なく、ここにも「百合小説」である旨が感じられる。特にヒロイン2人がどちらも行動力の化身であるので、ぶっ飛んだことを思いついて実行して世界を巻き込んでいく様は、ガチガチに練られたSFではあまり見られないものあって爽快だった。


昨日の修士論文の進捗は結構良かった。あと1つ章を執筆して、適切なcitationを張る事さえすれば、初稿としては問題無いだろうし前者も1時間で終わる。その代わりマルチタスクが絶望的に出来ないので学会の発表スライドを犠牲にしたし、1つ1つの細かいタスクの間に報酬として1時間の読書を入れたので、1日当たりの進捗はあまり良くない。修論間近の学生にしてはあり得ないぐらい読書メーターの数字が回っている。


最近は妙に早起きである。23時過ぎにはPCの電源を消して2時間読書してもまだ1時なので、そこで寝たとしても9時頃には起きる事が出来るという理論計算に沿う観測結果が珍しく得られている。なお、早く起きたところで特にやることは無く、SlackとDiscordとTweetdeckをチラ見して朝食をとって、散歩をして本を読んでいたら昼になっている。


不動産仲介業者からの連絡が中々来ないので、入居したい物件をインターネットで適当に探してこちらから電話したら週末に内見に行くことになった。電話を終えて自分にこんな行動力があった事に驚いている。これまで色々なところに住んできて「住居に対して(インターネットが通じる以外に)特に拘りは無い」ということが判明しつつあるのでこの週末の内見で入居先を決めたいところである。


天気が良かったので2時間ぐらい散歩してきた。普段ならバスで行っている市役所が徒歩50分で行けることが判明したので、雪等の障害が無ければ転出届は徒歩で出しに行こうと思う。バス代の片道100円をケチるわけではなく、1時間に1本しかバスが来ないせいで、市役所で用事を終えたら40-50分退屈するというパターンばかり引いていることから、だったら歩いた方が1日の歩行ノルマを達成できるし苦手なバスにも乗らずに済んで良い。

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例えば、積読を崩したいというのは特別な事ではないので、修論後にやりたい事ではあるが特別な事にはカウントされない。

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「ホーリーアイアンメイデン」が頭をよぎったが、あちらはかなりドロドロしているので雰囲気が異なる。